この結果は、オリンピアンの方が恵まれると予想される経済的・金銭的支援などが彼らの寿命に対してプラスに働かない可能性を示唆するものです。

今回の研究結果は、現役時代に心臓に繰り返し激しい負荷をかけ続けたアスリートであっても、早死にするおそれがないことを示していますが、そもそもトップアスリートは長生きをするために、競技をしているわけではないでしょう。

トップアスリートにとって世界記録を塗り替えることはもちろん大きな目標ですが、陸上競技の魅力は自分の限界に挑めるという点です。

一般で陸上をやる人は、誰かと競い合うというよりも、昨日までの自分の記録を超えるために走るという人が多いでしょう。

その中で、1マイル4分という歴史的エピソードとしてもわかりやすい目標を持つ1マイルは、非常に魅力的な陸上競技です。

日本ではマイナーな存在で、非五輪種目ではありますが、陸上競技に関心がある人はこれをきっかけに1マイルに注目してみると面白いかもしれません。

そしてこの競技は、限界を限界ととらえずに目標だと考え挑んでいくことの重要性を教えてくれています。

ロジャー・バニスター効果はどんなものにでもあるはずです。あなたにとっての1マイル4分はなんでしょうか?

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参考文献

Under 4-minute milers’ longevity shows that extreme exercise doesn’t seem to curb lifespan
https://medicalxpress.com/news/2024-05-minute-milers-longevity-extreme-doesnt.html

元論文

Outrunning the grim reaper: longevity of the first 200 sub-4 min mile male runners
https://doi.org/10.1136/bjsports-2024-108386