伝統的な金融システムや経済社会にアクセスし、物理的な場所で顧客にサービスを提供するためには、ルールの順守が極めて重要ですが、その課題について解決すべき問題は山ほどあると考えています」

最後にCassatt氏が、SolanaETF承認の進展やマルチチェーンの相互運用性の実現可能性について問いを立てた。

これに対しFerrante氏は、「インターネットのOSIモデル(コンピュータの通信機能を7つのレイヤー構造に分割したモデル)の観点から物事を考え、将来的にはそのモデルをブロックチェーンに適用するのでは」とコメント。以下の発言でセッションを締め括った。

「ブロックチェーンは、LANケーブルや電波といった 物理層(L1)に位置し、ユーザーが使うアプリケーションはアプリケーション層(L7)になります。経済活動について考えるとき、分散化と検閲への抵抗という制約があり、リスクや流動性の観点からマルチチェーンの共存を考える必要があるでしょう。

純粋に分散化されたオープンなシステムの構築に取り組むには、まだまだ乗り越えなければならない壁がありますが、その先には真に民主化された新しい金融体験が生まれるのではないでしょうか」

(取材・撮影:古田島大介)