グローバルでは、さまざまなブロックチェーンの制度やインフラが議論され、よりよい方向へと進んでいるなか、モデレーターのCassatt氏は「本当の意味での非中央集権型の分散型プロジェクトはあるのか?」と登壇者に投げかけた。

Albert氏は「Solanaのロードマップは、パフォーマンスとスケーラビリティに主眼を置いており、人々が望むものを何でも構築できるように、最も処理速度が速く、最も取引コストが安いチェーンを作ることを掲げている」と話す。

過去のインターネットの歴史を遡っても、常にイノベーションの最前線は「人々が楽しむこと」だった。面白く、魅力的なアイデアを思いついたら、Webサービスやゲームを立ち上げ、時には無謀に見えることでも“実験”と“挑戦”を繰り返してきたわけだ。

それがクリプト業界においては、トークン発行や資産分配といった「金融的な実験」を意味する。このような価値観やある種の遊び心からBONKやPOPCAT、MEWといった「ミームコイン」のトレンドが生まれ、Solanaのエコシステム成長に大きく寄与したと言えるだろう。

伝統的金融や経済社会との接続で課題となる「規制との整合性」

こうしたなか、Ferrante氏は「根本的にクリプト業界が行き着くところは、検閲に強くて、パーミッションレス(許可不要)で完全な分散型プロダクトやサービスを作ることだ」と意見を述べる。

クリプト業界はアービトラージ(裁定取引)ゲームに明け暮れ、誰も何をすればいいかがわからず、明確なルールも定まっていない。だからこそ、それがシステムに多くの脆弱性を生み出し、悪意を持つ人物によるハッキング攻撃の原因となっていると語るFerrante氏は、次のような持論を展開した。

「トークンは多くの利回りを生み出しますが、それ自体は役に立つものではありません。私たちの生活をより良くする物理的な商品やサービスと紐づいて、初めて価値が生まれるわけです。