次に向かったのは「212カントリーサインの旅」の出発点である、札幌市のカントリーサインです。

一路、道南へ。

この企画は「2泊3日で北海道の全市町村(当時は212箇所ありました)をクルマで回ろう」というもので、しかもその回る順番はくじ引きのため、とても非効率。もちろん、最初から全部回る気なんて誰にもありません。基本的にこの「水曜どうでしょう」という番組は企画担当のディレクター2人と、出演者の1人であるミスターこと鈴井貴之氏が、ただ大泉さんを振り回して、その様子を見て面白がる、という趣旨のドキュメンタリーなんですよね。基本は一切仕込みもないし、やらせもありません。だから、つまらない企画は本当につまらない。ですが、現場で必死に面白くしようともがく大泉さんや、神がかった運命的な悪戯が、大ヒットを産んだんです。

(水曜どうでしょうDVD第5弾「北海道212市町村カントリーサインの旅/宮崎リゾート満喫の旅/韓国食い道楽サイコロの旅」
©北海道テレビ放送株式会社)

こちらが番組内でのカット。この札幌市のカントリーサインは北広島市から札幌市に入る主要道路の一つ、国道36号沿に位置しています。

「絵はがきの旅2」で茨城からトンボ帰りした札幌時計台とか、チームナックスの出身校・北海学園大学とか、現在のHTBとか、マニアックなところだと「粗大ゴミで家を作ろう」(深夜にゴミ捨て場に落ちてる家具を拾って部屋を作った、今では絶対にできない企画)の舞台となった宮の森とか、本当はもっともっと札幌周辺の聖地を巡りたいところなのですが、残念ながらキリがないので次の目的地へ進みます。

札幌市を出て、ルスツリゾートへと続く国道230号を南西へと進むと、道の駅「望羊中山」にたどり着きます。そう、ここは通称「中山峠」。5周年記念特別企画「札幌〜博多 3夜連続深夜バスだけの旅」で深夜バス・オーロラ号に乗って最初に訪れた休憩地点です。「水曜どうでしょう」の中でスーパーカブと並んで大きな人気を集めるのが、この深夜バス。目的地がある時は安くて便利な若者の強い味方な深夜バスですが、ただサイコロの目が出ただけの行きたくもない場所へ10時間以上も狭いバスの中に閉じ込められる苦痛は、とても想像できません。