同、2021年12月7日 「バカは黙ってろ」のみ 強調は原文ママ

この人が誰をスターリンだと思って、私の「粛清」を試みる挙に出たかはともあれ、敵に挑むも返り討ちに遭い、かえって味方の利益を損なったスターリニストの最期は哀れである。要は、使えないプロバカートル(意味は前回の記事を参照)だと見なされて、切られるわけですね。

劣勢な知力でも利用可能な「共産党話法」は、一見すると、今すぐ党派に入って確実に仲間を増やせる、誰にでも開かれたフォロワー獲得ツールに映る。しかし、それを振り回した帰結はもれなく惨めだというのが、20世紀のリアル共産党の末路が示す教訓だ。

なお、正しく本稿を読まれた方には自明と思うが、共産党話法にハマるのはサヨクとは限らない。「保守派で現実主義者の自分はそうならない」と自負しつつ、SNSのお友だちづきあいを優先するあまりに党派的な発言を繰り返し、スターリニストと大差なくなってしまう例は無数にある。

立花氏は同じ箇所で、自らも抹殺される未来を予見してブハーリンが述べた、コミンテルン第6回大会(1928年)での発言を引いている。最悪期のソビエト連邦にも似た光景が、21世紀の日本のSNSやマスメディアで繰り広げられることの意味を、私たちはいま、省みるときが来ている。