とはいえ、そうしたボスに阿諛追従を連ねる官僚主義者――「スターリニスト」の描写としては、立花の記述はいまも正しい。で、読めばわかるとおり、同じ構図はソ連や日本の共産党だけではなくて、あらゆる組織や人間関係にあてはまる。

自宅に居たままフィールドワークするなら、SNSで学者を名乗る人々(いや、実際に大学教授だったりするんだけど)が繰り広げる「レスバ」がおすすめだ。そこでの言い分のほとんどは、

・なんで○○をフォローしているんだ。お前も○○陣営なのか。 ・なんでこの発言に「いいね」したんだ。お前も同じ意見なのか。 ・お前が引用する△△はウヨク(サヨク)のメディアだ。そんなものを信じているのか。 ・お前が発言した□□という用語は敵側が作ったものだ。それを使っている時点でお前も敵だ。 ・お前の主張に敵側の××が言及したぞ。つまりお前は××を有利にした裏切り者だ。 ・お前は私をブロックしたな。つまり負けを認めて逃げたのと同じだ。

……の類である。立花氏が言うように、こうした「原則、規則、手続きの順守を主張するのに知性は必要ない」。つまり、毎日Twitter(X)に入り浸ってレスバ漬けの大学教員には劣勢な知力しかない、というかそもそも知性なんてないのである。

藁人形叩きだと言われないように、本note の読者にはおなじみの「あの人」の例を出して、令和日本の大学教員が用いるスターリニスト話法の一例を示しておこう。ここで非難されているのは私なのだが、ぜひ立花さんの指摘と見比べながら、熟読玩味してほしい。