ビジネス
2024/09/06
【フィンランド現地レポ】創業者は元“鍵屋”、バッテリー不要のスマートキーを開発したiLOQを取材|入退室時の鍵交換不要、不動産オーナーの利便性向上へ
水着を着用してサウナに入り、体が温まったところでそのまま川に飛び込むことができる。人の出入りが多いので、ロウリュをしてもそれほど温度は上がらない。
サウナでは偶然知り合いに会ったり、一緒になった人とお喋りをしたりすることもあり、ちょっとした社交の場にもなる。一方でサイレントサウナの日も設けてあり、周りを気にせず黙々とサウナに入ることもできる。
さて、筆者が暮らすフィンランドの夏の様子をお伝えしたところで、今回の取材先を紹介したい。先日、オウル大学キャンパスに隣接するオウルテクノロジーパークLinnanmaaの一角にあるiLOQ本社を訪ねた。同社はスマホを活用したスマートロックシステムを開発する、創業21年の企業だ。
フィンランド発スマートロックシステムiLOQ
ドアロックは、企業がセキュリティを維持するうえで非常に重要である。一方でその管理には手間がかかり、個人住宅なら一般的に鍵の管理は大抵2~3個で済むが、マンションやオフィスビル、施設を管理する不動産業となるとそうはいかない。入居者が変わるたびに鍵を交換するのも無視できないコストだ。
さらにガスや水道、電力、基地局など生活基盤となる公共インフラにおいても、安全なロックシステムとリアルタイムでのアクセス管理は必要不可欠である。
iLOQは、これらで使用される鍵(物質的なモノ)を単にスマート化するだけでなく、電流供給、配線、メンテナンスにおいて、ロックシステムの概念を根本から覆すイノベーションで業界を席巻している企業である。
iLOQ本社のあるオフィスビルは、元々ノキアモバイルフォンの本拠地だった場所。今回取材に応諾してくれたのは、当時このオフィスで働いていた元ノキアのエンジニアで、現在iLOQでChief Technology Officer (CTO) を務めるTimo Ainali氏。さっそく社内を案内してくれた。
関連タグ
今、読まれている記事
もっと見る
関連記事(提供・TECHABLE)