■「世界一の臭さ」に対する反応
制作過程の中で、本物のシュールストレミングに触れている。世界一の臭さは気にならなかったのだろうか。
こちらの疑問をぶつけたところ、担当者からは「『世界一臭い』という前情報からどれくらい臭いのだろう…という期待値も高かったのですが、イメージよりは落ち着いていた感じです。おそらく鮮度がよかったのだと思います。開けた時はドブのような臭いと魚の発酵した臭いが混じり合っていましたが、2日目は不思議とチーズのような良い発酵臭に変わっていました」という何ともポジティブな回答が寄せられている。
とはいえ、これまで多くの食品サンプルを手がけてきた同社でも、今回の製作難易度は高かったようだ。担当者は、「『シュールストレミング』の開封方法や取り扱いについては、自分たちで調べるだけではなく、東京農業大学様からもアドバイスをいただきました。しっかり準備とイメージトレーニングをした上で臨みましたが、それでも開封するにはこれまで製作してきた食品サンプルのどれよりも相当の覚悟と細心の注意が必要でした」と振り返っている。
取材の最後に、担当者から「Xでのポストをたくさんの方にご覧いただいたことで、食品サンプルだけではなく、発酵やシュールストレミング、開催中の企画展にもご興味をもっていただければと思いますので嬉しく感じます」という笑顔のコメントが得られたのが印象的だった。
苦労の末作り上げた食品サンプルは現在開催中の展示イベントで見られるので、ぜひ足を運んでほしい。
【展示イベント】
醸造科学科展「JOZOO -醸造と発酵のせかい-」
展示場所:東京農業大学「食と農」の博物館 東京都世田谷区上用賀2-4-28
※詳細は公式ホームページから