■アステカ族:中米
15世紀前後に栄えたアステカ族は複雑で怪異なメソアメリカ文明であり、宗教に基づく儀式的なカニバリズムを伝承していた。
その人食いの儀式はきまわめて残忍で、犠牲者のまだ鼓動している心臓を太陽神に捧げることで、大規模自然災害が起こるのを防ぐことができると信じられていたのである。そして多くの場合、儀式の過程で犠牲者の人肉を消費していた。
これらの儀式の犠牲者は、多くの場合は捕虜、奴隷であったが、儀式のために特別に選ばれ犠牲を運命づけられていた者もいた。
アステカ族は16世紀にスペインの征服者が到着するまでこの儀式を続けていたが、それ以降はアステカの人食い行為は抑制され、アステカ帝国が征服されてカトリックが導入されたため、最終的にはこの儀式は根絶された。