これは実に驚くべき結果でした。

まさにベニクラゲと同じ若返りのプロセスとよく似ていたからです。

この結果はムネミオプシス・レイディも危機的状態に陥ると、幼生段階に戻って生をリスタートできることを示唆しています。

ピンチに直面したムネミオプシス・レイディは触手のある幼生に戻り、成体のときには手に入らなかった餌資源などに切り替えていると考えられます。

チームが発表した研究論文はまだ査読前であるため、完全な結論が出たわけではありません。

しかし今回の知見はムネミオプシス・レイディの生存力の高さ、および生物の老化の仕組みを詳しく理解するのに役立つと期待されています。

彼らの若返りの遺伝的メカニズムを解き明かすことで、私たちヒトの老化予防にも役立つ情報が得られるかもしれません。

【ガチ不老】信長より前から生きてるニシオンデンザメ(512歳)は老化していなかった

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参考文献

This transparent sea creature can age in reverse
https://www.livescience.com/animals/comb-jellies-can-age-in-reverse

元論文

Reverse development in the ctenophore Mnemiopsis leidyi(BioRxiv)
https://doi.org/10.1101/2024.08.09.606968

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部