『ラチェットコンビネーションレンチ』には、ラチェット機構が付いており、いちいち工具をボルトから外さなくても、スピーディーな締め緩め作業が可能……なのだが、ラチェットである以上、機構的にギヤが組み込まれていることから、通常のコンビネーションレンチと比べたら、どうしても強度の弱さが出てしまう。しかし、『ラチェットコンビネーションレンチ』のラチェットは、メーカーであるロブテックスによれば本締めも可能とのこと。本当だろうか? その作業性を実際に横川さんに試してもらうと……。

「締め付けトルクの軽い箇所はもちろん、フレーム周りの高トルクのボルトにも使ってみましたが、このと『ラチェットコンビネーションレンチ』のラチェット機構なら十分、本締め作業が可能ですね」と高評価。

17㎜、19㎜といった大きなサイズでも本締めが可能。横川さんによれば首振りタイプより、ストレートタイプの方が長くて力がかけやすいとのこと。
17㎜、19㎜といった大きなサイズでも本締めが可能。横川さんによれば首振りタイプより、ストレートタイプの方が長くて力がかけやすいとのこと。

『ラチェットコンビネーションレンチ』には、ストレートタイプと首振りタイプの2種類がラインナップしており、バイク整備におけるこの2種類の工具の使い分けのポイントを横川さんに聞いてみると?

「ストレートタイプの『ラチェットコンビネーションレンチ』はラチェット機構の堅牢性も高いですし、プロのメカニックの目線で使ってみても十分、業務作業で使える工具になっています」。固着したボルトやナメかけたボルトを相手にすることが多い横川さんの言葉には重みがある。

首振りタイプの『ラチェットコンビネーションレンチ(首振り)』についてはどうでしょう? 「首振り機構があるので、ラチェット部分はそのぶん大きくなってしまいますが、バイクの整備ではストレートタイプでは物理的に回せない凹んだ場所にあるボルトも多いですから、これからメンテナンス用の工具を買い揃えるという方は、まずは首振りタイプで揃えておくといいかもしれません」