そのため研究チームは、甘味カフェイン水の摂取により昼夜逆転したマウスの肝臓や腎臓の体内時計「末梢時計」を調べてみました。
すると、甘味カフェイン水を摂取していたマウスでは、臓器間でのリズムの調節が乱れており、末梢時計に混乱が起きていることが確認されたのです。
つまり甘味カフェイン飲料は、脳の中枢時計と臓器の抹消時計が異なるリズムを刻み始めることで体内時計の働きを大きく乱していたと推測されるのです。
ドーパミンに関与するダブルパンチは、臓器の活動リズムを乱してしまうようです。
本研究はマウス実験ではありますが、私たちヒトにも同じように当てはまる可能性があります。
研究者らは「カフェイン摂取により、夜眠れなくなり、遅寝・遅起きな生活リズムになってしまう可能性を示唆するだけでなく、カフェイン飲料への甘味の追加が、さらにその影響を悪化させることを示す結果です」と述べました。
甘い缶コーヒーやエナジードリンクを日頃からよく飲んでいる人は、体内時計の乱れに一層の注意が必要かもしれません。
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参考文献
甘味カフェイン飲水によるマウス体内時計と活動リズムの変化〜甘味カフェイン飲料の摂り過ぎで昼夜逆転?!〜
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/84871
元論文
Sweetened caffeine drinking revealed behavioral rhythm independent of the central circadian clock in male mice
https://doi.org/10.1038/s41538-024-00295-6
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。