缶コーヒーやエナジードリンクなどの甘いカフェイン飲料を飲み過ぎると、生活リズムが昼夜逆転してしまうかもしれません。
広島大学大学院 医系科学研究科の田原優 准教授らの最新研究で、甘味カフェイン水がマウスの体内時計を大きく乱れさせ、個体によっては普段の夜行性から昼行性に変化したマウスが現れたと報告しました。
カフェインを取ったなら当たり前と感じるかもしれませんが、意外なことにただのカフェイン水では昼夜が逆転するほどの影響は見られなかったという。
つまりカフェイン飲料では、カフェインではなく甘味が原因で生活リズムが乱れてしまう可能性があるようです。
研究の詳細は2024年8月19日付で科学雑誌『npj Science of Food』に掲載されています。
目次
- 「甘味」×「カフェイン」が体内時計にもたらす作用とは?
- 甘味カフェイン水だけ昼夜が逆転した!
「甘味」×「カフェイン」が体内時計にもたらす作用とは?
カフェインは「覚醒作用」を引き起こす栄養成分です。
カフェインの効果には眠気覚ましの他に、疲労感の緩和や集中力のアップなどが期待でき、コーヒーやお茶、エナジードリンク、栄養ドリンクに含まれています。
皆さんも朝の気つけや仕事中の一服として、コーヒーやエナドリを飲むことが多々あるでしょう。
またカフェインの摂取は糖尿病や心血管疾患、死亡率の低下との関連性が疫学研究で示されています。
その一方で、カフェインを摂りすぎると、中毒症状や睡眠不足、生活の質(QOL)の低下につながることも知られています。
加えて、カフェインの摂りすぎは体内時計の乱れも招きます。
体内時計とは、私たちの体の細胞一つ一つで機能している24時間を測る生体システムです。
時差ボケや夜勤など、体内時計の乱れはQOLの低下だけでなく、生活習慣病などの疾患リスクにも繋がります。