ホオジロザメの知られざる秘密が明かされました。
ホオジロザメ(学名:Carcharodon carcharias)はネズミザメ科のホホジロザメ属に分類される単一の種です。
これまではそう考えられてきましたが、英アバディーン大学(University of Aberdeen)らの研究により、世界中のホオジロザメは約20万年前から「3つの派閥」に分かれていたことが判明しました。
一体なぜ3つのグループに分岐してしまったのでしょうか?
研究の詳細は2024年8月5日付で科学雑誌『Current Biology』に掲載されています。
目次
- ホオジロザメを絶滅から救うために
- ホオジロザメは遺伝的に「3つの派閥」に分かれていた
ホオジロザメを絶滅から救うために
映画『ジョーズ』でもお馴染みのホオジロザメは、最大全長6メートルを超える凶暴なサメです。
人間を襲う事例もたびたび報告されており、一見すると「ホオジロザメが減っても別に困ることはない」と思うかもしれません。
しかしホオジロザメがいなくなることは、私たち人間の生活にも多大な影響を及ぼすといわれています。
というのも、私たちが日常的に摂取するタンパク質の約20%は海洋生態系から得ています。
そしてこの海洋生態系の多様性を維持し、健康に保っているのは、ホオジロザメのような頂点捕食者なのです。
つまりホオジロザメが海からいなくなってしまうと、海洋生態系のバランスが崩れて、今まで通りの食糧が海から得られなくなると懸念されています。
こうした研究者たちの懸念は、ホオジロザメの個体数が世界的に減少傾向にあることから年々大きくなっています。
ホオジロザメの数は1970年から2018年にかけて、すでに約3分の1が消失しているのです。