奴隷貿易の定義もあります。

The slave trade includes all acts involved in the capture, acquisition or disposal of a person with intent to reduce him to slavery ; all acts involved in the acquisition of a slave with a view to selling or exchanging him ; all acts of disposal by sale or exchange of a slave acquired with a view to being sold or exchanged, and, in general, every act of trade or transport in slaves.

奴隷貿易には、奴隷にする目的で人を捕獲、取得または処分するすべての行為、奴隷を売却または交換する目的で奴隷を取得するすべての行為、売却または交換する目的で取得した奴隷を売却または交換により処分するすべての行為、および一般的に、奴隷の貿易または輸送に関わるすべての行為が含まれる。

なお、この条約はさらに1956年に補足条約が出ており、1926年の奴隷条約上の奴隷制の定義はそのままに、それに該当するか否かを問わず債務奴隷・農奴制・女性に関する各種の行為を行う制度または慣行が追加的に禁止対象とされました。また、「隷属的地位にある者」が「奴隷」とは異なるものとして定義されています⇒「奴隷制、奴隷貿易並びに奴隷制に類似する制度及び慣行の廃止に関する補足条約」Supplementary Convention on the Abolition of Slavery

慰安婦は当時の国際法上の奴隷には該当しない

東京高等裁判所判決平成12年11月30日平成11年(ネ)第5333号

しかしながら、奴隷条約に関する国際慣習法の適用に際しては、そこでいう奴隷の定義を無視することはできず、前記認定のとおり、従軍慰安婦が当時成立していたと認められる奴隷条約に関する国際慣習法上の奴隷に当たるとは認められず、仮にこれに該当するとしても、これに対する禁止措置、処罰義務等の国際慣習法の国家義務を怠ったことになる被控訴人に対して、従軍慰安婦個人が直接国内法手続で損害賠償請求権を行使することができるという国際慣習法が成立していたとまでは認めることができない。