外資系金融や大手ITテックには高学歴、高キャリアのハイスペ人材が集結する。おそらく凡人は逆立ちしても彼らにはかなわないだろう。

しかし、別に天才と勝負する以外にも道がある。自分自身、極めて凡庸で特別才能があるわけではないし、実家が太いとか千載一遇の好機に恵まれたという運も良かったと感じることはない。しかし、勝てる場所を探して勝ってきたことで、自己満足的にいい人生を送れていると思っている。

世の中はいろんな人、いろんな仕事がある。自分が勝てる場所は必ずあるので、その小さな世界で勝者になればいい。それだけで十分豊かに、自己肯定感を得て生きていけるのだ。

そして才能や運に恵まれない者同士で勝負する世界においては、差をつける最もパフォーマンスが高い活動が「努力」である。難解な高等数学や物理学がわからなくても、簡単な計算問題で勝負できる世界に身をおいたなら、計算ドリルを人よりたくさん解いた人が勝負に勝つ。

また、ネイティブスピーカーのような英会話ができなくても、仕事で通用する英語力を身につけるくらいなら本当に努力だけで誰にでもできる。人より抜きん出るなら1つでもたくさん英単語やフレーズを頭に入れておく方が有利なのは明白であり、それを作るのは努力に他ならない。その努力すら放棄して何もしない人は少なくない。だが、むしろこれはチャンスだ。「人生は運と才能のゲーム」と腐って何もしない人を努力で超えてしまえばいい。

特に学習の優位性が顕著なのが若い頃である。学力を高めるには知能指数的な高さも重要でないとは言わない。しかし、自分と同じくらいの学力の集団の中で努力量を増やせば頭一つ抜きん出ることができる。たとえばパッとしない大学でも、そこで腐らずに必死に努力してトップを取れば返済不要な奨学金を得たり、学費免除で留学にいかせてもらえてチャンスを掴める。

また、会社も全員が東証一部上場企業に行く必要はない。あくまで規模の小さな会社で努力をして上を目指せば、うまくいけば大手企業の平社員よりよい待遇、良いキャリアを積めることも現実的だ。