政治
2024/08/22
インド主催の「グローバル・サウスの声サミット」で理解しておくべきこと
(今年からBRICSに新規加盟した5カ国であれば、サウジアラビアを除く残りの4カ国が参加国だが、これはまた別に考えるべきであろう。)
南アフリカについては、アパルトヘイト体制を脱した後の1994年にNAMに加入していることを考えても、インド主催の「サミット」に参加していないのは、注目できる。インド主催の「サミット」は、対外的にはっきりとBRICSと切り分けられている、ということである。
あえて言えば東南アジアの雄と言ってよいインドネシアや、ラテンアメリカの有力国であるメキシコとアルゼンチン、そしてトルコや韓国も、欧米諸国とBRICS諸国及びオーストラリアとともに、「サミット」に参加していない。つまりG7だけでなく、G20の参加国は、「サミット」に招かれていない。
これは昨年の「サミット」が、G20首脳会議に、非参加国の声を届ける、という実務的な趣旨を持っていたことを考えると、わからない話ではない。参加国が2カ国減っているとはいえ、今年の「サミット」で少し事情が変わるような要素があったどうか、私はまだ確かめられていない(が、報道等を見る限りG20参加国が招かれた形跡はない)。
インドは、非欧米の有力国を集めた連合体を形成する意図は持っていない。むしろ非欧米の有力国を、取り除いている。「グローバル・サウスの声サミット」は、あくまでもインドの外交政策の一環として実施されている。
第3に、NAM参加国であり、G20参加国でもないのに、招かれていない国がある。パキスタンである。インドが主催する限り、当然、パキスタンが招かれる可能性はない、ということだろう。とにかく「グローバル・サウスの声サミット」は、徹底してあくまでもインド外交の一環として行われているものなのだ。それ以上でも、それ以下でもない。
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