もうひとつ真実性の傍証になるのは、ウクライナで軍民に信望が厚いとされたザルジニー氏が更迭されたことの(2024年2月。現在は駐英大使)、背景としても読み解ける点だ。論理学でいうアブダクション、つまり「結果から遡行するかぎりで最も筋が通りそうな説明」である。

さて、今回の報道の結果、注目を集めている爆破当時の「専門家」の解説がある。文字起こしの上で、歴史の証言として記録に残しておこう。

東野篤子 私は正直に申しまして、〔爆破したのは〕ロシアだと思っていますね。この攻撃をNATO諸国が自らやるわけはなく、ウクライナは潜水艦を持っていませんし、色々状況証拠を考えると、ロシアがエネルギーを武器化してですね、揺さぶりをかける行為の一環だったんだろうという風に考えられるわけです。

これが発覚した翌々日ぐらいなんですけれども、EUはロシアを名指ししないまでもですね、明らかにロシアとわかるような形で非難をしているわけです。ところが後でお話出ると思いますけれどもNATOに関しては、「まだまだもう少し調べる」ということになったわけですけれども、NATOとロシア〔EU、の言い間違えか〕は考えることも被っていますし、認識としてはもうロシアということだろうと思います。