8月15日の終戦記念日にあわせて、前回の記事を書いた。実際には兵站が破綻しているのに「あるふり」で自国の戦争を続けさせたかつての軍人たちと、本当は(信頼に足る)情報なんて入ってないのに「あるふり」で他国の戦争を煽り続ける専門家たちは、同類だというのが論旨である。

年に一度の「戦争を振り返るシーズン」も、実に79回目。不幸なことに、ウクライナとガザの双方で、続く戦争が進行する中で迎える夏である。 昨秋から気にかけてきたが、ウクライナはついにロシア領内へ侵攻する冒険的な賭けに出た。またイランがイスラエルへの大規模報復に踏み切れば、文字どおりの「第五次中東戦争」となろう。

とはいえまさか、ここまで即座に「そのもの」の事例が飛び込んでくるとは思わなかった。元の報道は14日付の米国紙WSJだが、以下の読売新聞の記事が概略を押さえている。

ノルトストリーム爆破、ゼレンスキー氏は中止要求したが…軍総司令官が作戦強行

ポイントは、

2022年9月のノルドストリーム爆破に関して、ドイツ当局がウクライナ人容疑者(帰国済み)の逮捕状を取った。 当初はゼレンスキー大統領も作戦を了承したが、米国CIAに再考を促されて中止を指示した。 しかしザルジニー総司令官(当時)が、既に部隊が着手したことを理由に強行した(取材に対して本人は否定)。

ということである。むろん逮捕状が出たからといって、即「容疑が真実」とはならないが、ウクライナが乾坤一擲のロシア領への侵攻に出るさなかで公にしたのだから、ドイツ側は捜査に相応の自信があるのだろう。