「マツダイノベーションスペース東京」がマツダと自動車産業、そして社会へあたえる影響

別府氏は『マツダは自動車という強い事業を活かして新しい事業の領域を広げていきたいと考えていて、それは大別すると2つの領域があります。
ひとつは「モビリティ」で移動するという枠からさらに解釈を膨らませる必要があるので物質的なところから脱却し、もっと可能性を広げてサービスに寄ったものも作っていきたいです。
もうひとつはものづくり企業として我々が持っている「技術やアセットの活用」で、特にプロダクトサイクルが短い産業の方々を意識して、コンテンツなのかサービスなのかプロダクトなのかは問わず3つのことを実現したいです。
1つ目は、我々(マツダ)のように4~5年というスパンの長期開発ではなく、1年、半年、三か月など短い期間で開発プロジェクトを回している方々とご一緒することで、速いスピードで事業を作る経験をしたいと考えており、毛籠社長もそういったところに期待感を持ってくれているので、確実にプロジェクトを回していくというよりは、不確実でも良いのでクイックに回していくといったスタイルで臨んで、その期待に応えていきます。
2つ目は、大企業ではどうしてもアイデア・機動性が不足しがちなので、そういったものを持っているスタートアップの方や学生の方とも接していきます。
3つ目は、我々の保有している技術はものづくりに偏っていて、特に鉄やアルミ、ゴム、樹脂などの物体を加工して価値を出していくというハードの領域に強みがあるので、それ以外の技術を持っている方々、例えば、素材系、IT系や画像処理系など、我々が培ってこなかったソフト領域の方々と化学反応を起こしたいです。
自動車産業はバリューチェーンが広く、開発技術だけでなく生産技術や物流技術など様々な面で強みがあるので、これまでは自動車産業にしか活用してこなかったところを他の産業にも転用できる可能性があると考えていて、先行事例も多くあるので勉強しながら検討していきたいです。』とのことです。

最後に滝村氏より『マツダは広島、中国地方という地域によって育ててもらった企業なので、そこに立脚せずして次の100年の産業を生むということは考えられないと思っています。
そういった中で、近い将来に「マツダイノベーションスペース東京」から創出されることはビジネス観点で考えると、既存事業で得ている利益に比べてまだまだインパクトは大きくないですが、将来は広島、中国地方にも着実に立脚してマツダ自身が次の100年を生きていくため、変革のための拠点であると理解しています。
そして、これまでの自動車産業には「安全」という絶対に譲れないものがあった訳ですが、例えば、新興自動車メーカーのBEV(Battery Electric Vehicle=バッテリー型電気自動車)開発では、スマホが先にあって、そこに箱(車体)やモーターとバッテリー、タイヤをつけてといった具合でクルマにするという捉え方をしているかもしれないです。
仮にそういった考え方であった場合、我々から見ると安全が置いて行かれているように感じてしまいます。』と危惧もされています。

「マツダイノベーションスペース東京」では、我こそは! という方、熱意やビジョンを持っている! という方であれば、大企業以外の企業や個人の方もドアをたたいて頂きたい! とのことですので、将来の自動車とその関連する産業のために有意義でとても期待できる!と思いました。

マツダは、広島や中国地方の産業活性化と自動車の安全を企業としての責務として捉えていて、その強い使命感と情熱は次世代事業の創出においても不変で熱い想いを感じました。

マツダが「イノベーションスペース東京」で進める次世代事業とは?【自動車業界の研究】
事業創出と市場価値〔ABeam Consulting〕(画像=『CARSMEET WEB』より 引用)

参考リンク)
マツダ ホームページ
https://www.mazda.co.jp/
MAZDA 100TH ANNIVERSARY
https://www2.mazda.com/ja/100th/
マツダ787Bが「2023日本自動車殿堂 歴史遺産車」に選定
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2023/202311/231107a.html
RECARO ホームページ
https://www.recaro-automotive.com/jp/
六本木ヒルズ ホームページ
https://www.roppongihills.com/
霞が関ビルディング ホームページ
https://www.kasumigaseki36.com/

文・橋爪一仁/提供元・CARSMEET WEB

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