「TABETE」は基本的に福袋形式で出品されるため、1人暮らしの人には量が多すぎて食べきれないという意見があります。現在、出品される食品の6割がパンで、残りはケーキやホテルビュッフェなので、2人以上の家庭での利用頻度が高いと感じています。

「消費期限が近いから安くして当たり前」という意識を変えてほしい

―――一方、私たち消費者は、食品ロスについてどのような行動をしていけばいいと思われますか。

篠田さん:まず、消費意識をどう変えるかが重要です。お得だからといって、安いものばかりを買い続けると食品ロスは変わらないと考えています。

食品ロスの根本の原因とは、「いつでも買えるのが当たり前」という意識なんです。

その上で、「消費期限が近いから安くて当たり前」という考え方でいると、結果的に売り手にしわ寄せがきているのに気づかず、どんどん売り手側の首を絞める結果になります。

まず、なぜ食品ロスが発生してしまうのかについて考えることから始めてほしいです。

そして、食品ロスが発生して、「レスキュー」をするときにも、値引きの背景を知った上で、どうしたら作り手にちゃんと利益が残るのか、持続可能な価格で取引ができるのかというところまで考えた上で、取引をするのが重要だと私たちは考えています。

なので、「消費期限が近いから安くて当たり前。もっと安くして少しでもロスを減らした方がお互い幸せだ」という考え方はちょっと違うと考えています。

消費者の方も、自分たちが大切にしたいと思っている作り手、お店の方々がちゃんと経営を続けられるような買い方を考えてほしいです。そうしないと、コロナ禍のように、自分の好きなお店やサービスがなくなってしまうということが続くと思うので。

―――確かにコロナ禍のとき、閉店のニュースを知って惜しんだお客さんが殺到するというニュースをよく見ましたが、それではもう遅いんですよね。