このような仕組みから、ピストンの上下に連動してクランクケース内の空気は動かされ、ピストン下降時はブローバイラインから空気が排出され、ピストン上昇時にはブローバイランから空気を吸引。エンジン稼働中のブローバイライン先端では、脈動現象が起きていることになる。

そして、ワンウェイバルブであるT-REVをブローバイラインに割り込ませると、ピストン上昇時の空気逆流が阻止されてクランクケース内が負圧状態に。これは空気密度が低くなることを意味し、ピストンを下げるときの抵抗を減らすだけでなく、クランクシャフトの回転に対する空気の攪拌抵抗を減らすことにもつながる。空気密度が低くなると運動抵抗が減る原理は、「高地にあるゴルフ場では飛距離が伸びる」というのと同様。要するにT-REVは、「エンジン内部の空気抵抗を減らして、動きをスムーズにするパーツ」なのだ。

250cc以下の単気筒に適合するT-REV miniが大人気

T-REVシリーズには、スタンダードタイプやマフラーの排気圧も活用したαシステムなど、さまざまなタイプがあるのだが、近年のマーケットでとくに高い人気を誇るのは、250cc以下の単気筒エンジンに装着することを前提に開発された「T-REV mini」。こちらの製品は、スタンダードタイプのT-REVと比べて、本体の25%小型化と43%軽量化を達成。miniの重量はわずか41gとなっている。本体のカラーラインアップは3タイプ。スタンダードでも人気のブラック、ゴールドに加えて、mini専用色としてチタンも用意されている。

ちなみに価格も、スタンダードの2万8600円に対してminiは1万5400円とリーズナブル(※価格は2024年7月現在)。ワンウェイバルブの核となる部分には、性能と耐久性の実績があるリードバルブ方式を継続採用しつつ、スタンダードの3枚構造に対してminiは1枚構造とすることで、小型軽量化につなげている。発生する脈動現象の力が大きな単気筒エンジンに適合するminiの場合、1枚バルブでも十分な減圧効果が発揮できることが確認されている。

TERAMOTOのWEBサイトはこちら!

性能はデータで実証&体感効果も大きい!