往年の高性能モデルのネーミングを引き継いだ最新101スカウトは、エンジンのトルクとパワーがさらに増強され、前後サスもフルアジャスタブルに変更されている。ホイール、ライザーなどに切削加工が施され、ブレンボ製キャリパーを装備するなど、細部までこだわった作り込みとなっている。

独自装備の採用などにより、車重は249kgと3kg増えているが、取りまわしで増量した重さは感じなかった。フロントタイヤは19インチへ大径化されているが、エアボリューム(タイヤ内の空気量)が減った効果で接地感がよりダイレクトに伝わりやすく感じられ、ハンドリングも軽快に感じられた。エンジンは6hpほどパワーアップしているが、元々がパワフルなので、走行中にその差をハッキリと体感できなかったのが正直なところ。むしろ、軽快になったハンドリングと、よりスムーズになった乗り心地のほうが印象的だった。前後サスがフルアジャスタブルに変更され、サスストロークがよりスムーズになっている恩恵だろう。

ライディングモードはスカウトボバーと同じく「スタンダード」、「レイン」、「スポーツ」の3モード。乗り味の変化もスカウトボバーと同じ感じだ。ただし、101スカウトは4インチディスプレイが装備され、モード変更や速度・エンジン回転などが鮮明に目視しやすくなっている。

試乗車の101スカウトは足を前方に出すフォワードコントロールだったが、オプションで一般的なバイクと同じミッドコントロールに変更可能だ。個人的には101スカウトの軽快なハンドリングには、操作性に慣れたミッドコントロールのほうが合っていると感じた。101スカウトは、快適なクルージング性能に加えて、Vツインらしい鼓動を感じながらスポーティなライディングも楽しめる多機能なバイクになっている。

101スカウト主要諸元

全長×全幅×全高2206×956×1155mm
ホイールベース1562mm
最低地上高113mm
エンジン型式水冷60°Vツイン1250cc
ボア×ストローク104×73.6mm
燃料タンク容量13L