そこで、関心を集めているのが火星の地下に氷の状態で保存されている可能性がある水の存在です。
現地で水が手に入れば、生活用水や産業用水として利用できます。また、食料生産も重要な問題です。現在、火星や宇宙空間での植物栽培に関する研究が進行中であり、火星の土壌に近い環境で農作物を育てる研究をしている研究者もいるようです。
NASAは2030年代に宇宙飛行士を火星に送り込む計画を発表しています。そのためには地球と月の間に宇宙基地を建設し、そこから火星への探査を行う予定です。
このような挑戦的な計画には、いろいろな技術的な課題がありますが、火星への移住は徐々に実現に近づいてきているようです。現在、小学校に通っている子供が成人して社会で活躍するころには月周辺の基地も完成して、「さあ、火星へ出発」という時代が到来しているかもしれません。
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参考文献
惑星のきほん
https://www.amazon.co.jp/dp/4416617496
惑星科学入門
https://www.amazon.co.jp/dp/406159222X
シリーズ現代の天文学[第2版] 太陽系と惑星
https://www.amazon.co.jp/dp/B09FSPG3BY
ライター
浅山かつのり: 屋号:創造情報研究所。大学で物理学を専攻し、課外活動では天文研究会の会長を務めました。現在はITエンジニアとして働きながら、サイエンスライターとしても活動しています。歴史にも興味があり、史跡めぐりや歴史関係の本を読むのも好きです。
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。