メタンの供給源の一つとしてメタン菌のような生物の存在が予想できます。メタン菌は炭素と水素からメタンを生成する微生物で、酸素がなくても生存できます。また有機物も必要とせず光合成も行いません。
このような性質からメタン菌なら火星の環境でも生存可能だと考えられています。
火星の大接近
大接近とはいっても、火星が地球に衝突するほど近づくわけではありません。火星が地球に接近するというのは、具体的にどういう現象なのでしょうか?
太陽系の惑星は、それぞれ違う軌道や周期で太陽の周りを公転しています。このため、地球や火星などの位置関係は絶えず変化しています。
火星は地球よりも外側の軌道を公転していて、その公転周期は687日、地球の公転周期は365日です。地球が火星よりも公転速度が速いため、約780日(約2年2ヶ月)ごとに地球は火星に追いつき、追い越します。この時、火星と地球の距離が最も近くなります。この現象を「最接近」と呼びます。
しかし、火星の最接近は、いつも同じ距離で起こるわけではありません。地球の軌道は円に近い形をしていますが、火星の軌道は楕円形です。
そのため、地球と火星の軌道の幅は一定ではありません。また、火星の最接近の周期は2年ちょうどではなく、約2年2ヶ月です。このため、最接近のときの地球と火星の位置は毎回ずれていきます。そして、最接近の距離も毎回異なるのです。
地球と火星の軌道が最も近い最接近のこと「大接近」といいます。一方、地球と火星の軌道が最も遠く離れている状態の最接近のことを「小接近」といいます。
大接近のときの地球と火星の距離は約5600万km、小接近のときは約1億kmとおおよそ2倍の差があります。
火星最接近のときは、地球から火星が普段より明るく大きく観測できるため、ニュースなどでもよく話題にされます。