そんな火星の地面は地球から望遠鏡でも直接観測できます。

その理由は火星の大気がとても薄いからです。実際、火星の大気圧は地球の100分の1ほどしかありません。大気圧が低いということは、火星の大気が非常に薄いことを意味します。

そんな火星の大気はほとんどが二酸化炭素です。二酸化炭素は地球では温室効果ガスとして問題にされていますが、火星の場合、この大気の量では温室効果を生むには不十分なため、火星を温める効果はほとんどありません。

そのため火星表面は太陽に照らされている昼間は比較的暖かくなりますが、夜になると急速に冷え込み、平均気温は赤道付近でも約-50℃ほどと非常に低温です。

火星の地理

火星の赤道付近には、アマゾニス平原と呼ばれる平原が広がっています。アマゾニス平原は、火星で最も滑らかな平原の1つで表面は赤い土でおおわれています。

赤い土は鉄の赤さびで、黒い岩石もむき出しになっています。

アマゾニス平原が滑らかな理由として、比較的最近の火山活動によってできた溶岩流に覆われたことや河川活動によって土砂が堆積したことなどが考えられています。

これは火星の地下にもマグマの活動があり、最近まで火山活動や河川の流れが存在したことを意味しています。(最近と言ってもそれは何億年というスケールです)

ただ火星の火山は地球とはいろいろと異なる特徴を持っています。

その代表となるものがアマゾニス平原の東にある、太陽系で最も高い山、オリンポス山です。その高さは、なんと2万5千mです。富士山6つを重ねてもその高さには及びません。そして、山の裾野の広がりは600kmを超えます。オリンポスという名前はギリシャ神話に登場する神々が住む伝説の山が由来になっています。

Olympus Mons
Olympus Mons / Credit:NASA/JPL/USGS

なぜ、火星ではオリンポス山のような巨大な山ができたのでしょうか?

その理由は、火星の重力が小さいことにあります。火星の重力が小さいため、火山の噴出物がより高く吹き上がり、高い山として積み重なったのです。