■ワリ族:アマゾン

 アマゾンの熱帯雨林に住むワリ族(wari)は、特殊な種類の「二重共食い(dual cannibalism)」を行うという点で独特で、彼らは歴史的に愛する人も敵も同じように食べてきただけでなく、その理由も大きく異なっていた。

 彼らは一種の葬儀として自分の愛する故人を食べていた。彼らにとって人肉食は故人を悼み、敬意を払い、敬意を払うことに根ざした儀式的な行為であり、亡くなった家族や友人の遺体を食べることで、彼らの魂とのつながりを維持し、幸福を確保できると信じられていたのだ。この形式の人肉食行為は愛と敬意の体現であった。

 その一方で、ワリ族もまた戦争の敵兵の遺体を食べた。この文脈では、人食い行為は強い憎しみと怒りによって引き起こされ、敵の戦死者を食べることは敗北した敵に対する優位性を表現する方法であった。

 敵兵の肉を食べることは、これらの敵に対する根深い敵意と怒りを象徴し、それは究極の屈辱行為と考えられており、敵の力や本質を吸収する意味合いもあった。しかしこのワリ族の人食い習慣も、部外者、特にキリスト教宣教師の到来とともに消えていくことになる。

人間が犯してはならないタブー……古くから人肉食を実践してきた8つの古代文化【後編】
(画像=画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)