今日、2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」から22年目を迎えた。世界貿易センタービルに突入する航空機、崩壊するツインタワー、逃げ惑う人々の叫び声、お茶の間に映し出された非現実的な光景は今でも強烈に人々の記憶に残っていることだろう。
世界最強の軍事力を誇る米国への本土攻撃はブッシュ元大統領も戦慄させた。当時、フロリダ州の小学校を訪問していたブッシュ氏が米国への攻撃があったことを伝える側近の耳打ちに表情を強張らせたシーンは印象的だ。
その後、米国はアフガニスタンで軍事作戦を展開、国際テロ組織「アルカーイダ」の掃討に打って出た。泥沼化したアフガニスタン侵攻の後、2011年5月、米特殊部隊がアメリカ同時多発テロの首謀者であるウサーマ・ビン・ラーディンを殺害、2021年にアフガニスタンから米国が撤退し、テロ発生から20年に及んだ軍事作戦は終了した。
だが、9.11の真相はまだ明らかにされていないと考える人もいる。今でもたびたび噂されるのがビルの崩壊があらかじめ仕組まれていたとする陰謀論だ。この節目にいま一度、その主張を見てみよう。
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※ こちらの記事は2020年5月31日の記事を再掲しています。
世界貿易センタービルの崩落は、原子爆弾によって引き起こされたものだった!? 一大テロ攻撃の矛盾を突く物理学者のシミュレーションに、海外メディアが注目していた。
再燃が続く9.11テロ陰謀論
2001年9月11日――。ニューヨーク、マンハッタン島の南端に建つ世界貿易センタービルに、2機の民間旅客機が突入した。
イスラム系テロ組織アル=カーイダが主導したアメリカ同時多発テロは、2011年まで続くアフガニスタン・イラク戦争の遠因となり、世界的な混乱を巻き起こした。
アメリカ社会の在り方、そして中東の勢力図を激変させた史上最大のテロ攻撃――。その被害の規模もさることながら、生み出された余波の大きさゆえに、攻撃の裏で何らかの陰謀が進行していたという言説は、いまだに再燃の兆しをみせている。
事件当初より目立って盛り上がりを見せていたのは、ビルのオーナーが老朽化したビルの解体を目論んだという経済的動機説、もしくは外的な脅威を演出し、侵略戦争につながる火種を作り出すためだったという政治的動機説の二つだ。
いずれにしても、これらの説が生まれてくるに至ったのは、貿易センタービルが崩落する過程に、疑わしい点が多く見られたためである。