観光地価格ができやすい理由
一般的に観光地で物価が上昇する理由について東氏は以下のように話す。
「まず、観光客の支払い意志が高いことがあげられます。購買機会が限定的なため、今しか、ここでしか買えないという心理から財布の紐が緩みがちです。所得・資産の水準や為替レートの影響で観光客の購買力が高いと支払い意思も高くなりやすいといえます。さらに情報不足もあります。観光客、特に外国人は現地の物価水準が分からず、値頃感ができにくいし、他の選択肢があるかどうかも不確実です。そんな中で他の店を探すのに時間や労力をかける方がもったいない、高くてもいいやという心理が働きます。事業者の立場でいえば、需要の季節変動が大きい観光地では、需要の多い観光シーズンの価格を高くします。こうした理由から観光地では価格が高くなりやすいのです」(東氏)
円安が進んだ影響で日本の物価が外国人にとって割安に感じられる今、「外国人料金」を取るべきとの意見が事業者から出はじめているという。