カーボンクレジットは、ソーシャルクレジットや競合ツール、環境税として使えるほか、特に輸出やイノベーションの分野で活躍します。当社のトラクションおよび追跡技術があれば、日本企業はさらなる付加価値が得られます。時間給だけの競争は終わり、効率と環境へのインパクトを競う時代です。ESG指標には現在、基礎的な財務報告書とESG報告書のほかにカーボンクレジットも含まれるようになりました。こうした付加価値によって企業の成熟度が評価されます。

7月中に実施、8月5日に発表された「大企業のESG経営への取り組みに関する実態調査」では、大企業の7割超がESG経営への取り組みを実施していると回答(中小企業個人情報セキュリティー推進協会)

まもなく発表予定ですが、日本のある「スマートシティ」とのパートナーシップでは、当社のEaaSプラットフォームが住民や企業従業員それぞれのオフセット効果を追跡します。量子コンピューターの予測に基づき、人々にアドバイスが提供されます。それに沿って環境に配慮した行動を行うと、報酬が得られるというシステムです。

環境へのインパクトを測定するのは比較的簡単なんですよ。重要なのは、「予測」まで行って間違った方向へ進まないよう維持すること。測定・予測は量子コンピューターとAIで行いますが、データは日本にとどまり、データ所有者は日本人のままです。当社は某有名企業のようにデータを移動させません(笑)。

「ZK技術」活用で分散化を推進、データ所有権はそのままに

――それが、プライバシー保護と自己主権性を実現する「非中央集権化」ですか?
Gregory:その一部ですね。非中央集権化は、あらゆる企業・個人にとって重要です。データとは、インターネット上にだけ存在するデジタル情報ではありません。人間の脳内での化学反応や量子計算を考えたら、私たちはみんなデータです。人間の行動、生き方、どんな習慣を持っているのか。これらすべてがデータであり、重要です。