強力な温室効果ガスである水蒸気がこれだけ増えたら、当然温室効果が強まり、地表を温めながら成層圏からは赤外放射量が増えて成層圏温度は下がる。火山噴火の影響は少し時間が経ってから現れるらしく、22年1月の噴火が23年以降の高温の原因になっているようである。この仮説が正しいならば、成層圏内の水蒸気濃度が元に戻れば地表面温度も正常に戻るはずである。
またこの論文の後半では今年1月から3月にかけて起きた「極渦(Polar Vortex)」の発生とその影響について述べている。長くなるので詳しい説明は省くが、この現象も成層圏の急激な温暖化(SSW)を引き起こす。SSWは通常約2年に1回発生するが、23〜24年の冬は初めて3回ものSSWが観測されており、この面でも最近が特に異常気象状態にあることを示す。しかしその影響は一時的なものであるとも著者は述べている。
「人為的地球温暖化説」は崩壊しているこうして最新研究の成果などを見るにつけ、我々の地球環境への理解は、まだまだ未熟な域に留まっていると痛感させられる。それでも、明確に分かってきたのは、海水温→気温→CO2濃度の因果関係であり、人類起源CO2の影響の小ささである。
要するに、信頼すべき科学的データは「人為的地球温暖化説」が完全崩壊していることを告げている。これはCO2排出削減=脱炭素が無効で無意味であることを示す。つまり脱炭素政策への税金支出は、すべて無駄遣いである。そろそろ多くの日本人は「人為的温暖化真理教」からの脱却を図るべき時期に来たと私は考える。