■「良い墓を建てたい」思いが裏目に…

続いては、吉田さんが推薦する墓石のプロ「石屋の山田」さんに、より踏み込んだ話を聞いてみる。

夏場の墓石について、山田さんは「炎天下の石は熱を保ちやすく、見た目では温度が全く分かりません。特に、黒い石などはかなり熱くなり、私たちが持つ場合も一度水で冷ましてから持たないと、火傷をする可能性があります」と、その恐ろしさを語ってくれた。

吉田さんもポスト内で触れていたが、山田さんも、こうした現象は「墓石」でなく「墓地」の環境にも大きな要因があると説明する。

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(画像=『Sirabee』より引用)

曰く「墓地というのは日当たりが良いことが好まれるため、日影が少ない傾向にあります」とのこと。なるべく日当たりの良い場所にお墓を建てたい…と考えるのはごく自然なことだが、現代の夏の暑さでは、好立地が裏目に出てしまうのだ。

山田さんは「カレー坊主さん(吉田さん)も仰るように、お掃除に熱中するあまり、時間が経つのを忘れてしまう方も一定数いらっしゃいます。私としてはこれだけ夏が暑くなってしまうと、一番暑い時間帯の昼間でなく、夕方などのお参りを推奨させて頂いています」とも語ってくれた。

令和の夏の暑さは、もはや昭和の夏の暑さなど比較にならない気温の暴力。しかし、なまじ「過去の夏の暑さ」を知っている世代は、かつての夏の暑さを尺度にしてしまいがちである。

「夏の暑さ」に関する認識をアップデートするよう、身近な人々が注意を呼びかけたい。