自尊心がない人ほど、他者より上に立ちたい欲求を持っている。そうした気持ちが「教えたい」という行動になって現れる。結果、「あの人はこういうところがダメだ。自分の若い頃は…」といった上から目線のダメ出しをしてしまう。

現在、パリオリンピックが盛り上がっているが、若い選手にえらそうにダメ出しばかり投稿したり、その他にもとにかく文句をつけてまわるタイプは完全に老害である。「では文句をつけるあなたはワールドクラスの何か実績やスキルはお持ちですか?」と問われれば答えに窮するだろう。そうした周囲からの冷ややかな反応に耳を傾けられないのも、一つの老化現象と考えたほうがいい。

そこで対策としては年を取るほど意識的に「教わる立場」でいることだ。多くの人は教わるより、教える方が気持ちよく感じる。自分がえらくなった感覚になるし、相手から感謝されれば自己愛も満たせる。自分は子供の成長も考えて、あえて「パパはこれがわからない。教えて!」と生徒役になることがある。そんな時、子供は嬉々として丁寧に細かく教えてくれる。

教えてもらったら「ありがとう」とお礼をいえば関係は良好だし、「その後は大丈夫そうですか?」と相手から気にかけてもらえるだろう。えらそうに上から目線でダメ出しばかりするより、周囲から愛されるのは間違いない。

3. 自分で機嫌を取る

老害は常に不機嫌で、イライラや怒りの表情を隠すことなく全面に出してしまう。これは自分のご機嫌を他人にとってもらう未熟な子供のようであり、「自分のご機嫌は自分で取って当たり前」という本質を欠いた態度だ。本来は対等な人間関係であるはずが「お客様」という扱いを求めるなら、当然、周囲から嫌われてしまうだろう。

そこでおすすめは自分のご機嫌を取るスキルを身につけることだ。もちろん、生きていれば嫌なことはたくさんある。でも感じるに任せていれば、不機嫌な老人の出来上がりだ。