1分足チャート:ドル円は米7月雇用統計後に急落、米10年債利回りは緑線(左軸)
(出所:TradingView)
今回の雇用統計のポイントは、以下の通りで、ことごとく弱い材料が目立ちます。
(労働市場にポジティブ)
・労働参加率は小幅改善 ・フルタイムの雇用、3ヵ月ぶりに増加
(労働市場にネガティブ/ニュートラル)
・NFPが市場予想や前月を下回る ・NFP、過去2カ月分は2.9万人の下方修正 ・平均時給の伸び、前年同月比で鈍化(インフレ抑制の観点ではポジティブ、購買力の観点でネガティブ) ・民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)、前年比は2021年3月以来の5%割れ ・週当たり労働時間、2020年4月以来の低水準 ・失業率、前月から0.2%上昇し2021年10月以来の高水準 ・失業率の上昇を受け、サーム・ルールで景気後退のサインとなる0.5ポイント超え ・失業者のうち失職者は2021年11月以来の高水準、レイオフ(一時解雇)も100万人を超え2021年9月以来の水準へ急増 ・就業率、2022年11月以来の水準へ低下 ・不完全就業率は2021年10月以来の水準へ急
これまで、8月に予定する年次改定の暫定値発表を受けて8月22ー24日開催のジャクソンホール会合で利下げの地均しを行う見通しとお伝えしていましたが、その前にパウエルFRB議長が市場の混乱を抑えるべく、発言の機会を作ってもおかしくありません。
以下は、今回の雇用統計の詳細。
〇非農業部門就労者数
米7月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比11.4万人増となり、市場予想の17.6万人増を下回った。前月の17.9万人増(20.6万人増から下方修正)を下回り、3カ月ぶりの低い伸びとなった。
NFPの内訳をみると、民間就労者数は前月比9.7万人増と市場予想の14.8万人増を下回った。前月の13.6万人増に届かず、2カ月ぶりに低い伸びとなった。民間サービス業は7.2万人増と、前月の12.5万人増(11.7万人増から上方修正)を下回り2021年1月以降の増加トレンドで最小となった。