直進安定性は高速道路でも発揮される。6速で100km/h巡航すると、エンジン回転数はタコメーター目視でおよそ6500rpm。エンジンからの振動は多少増えてくるが、手足がしびれるほどではない。

また、走行テストを重ねて開発されたウインドスクリーンは、コンパクトながら防風性を発揮し、身体に当たる走行風を低減している。ただし、走行風は多少ウインドスクリーンを巻き込むように流れ込んできて、胸に当たるのを感じる。と言っても、ネイキッドやオフロードモデルのように走行風が胸にダイレクトに当たるわけではなく、前後サスもフラットな乗り心地を提供してくれるので、高速道路での100km/h巡航は心地よい風を感じながら淡々と走り続けていける快適さがある。リラックスしたライディングポジションを取りつつ、シートのクッション性もいいのでお尻が痛くなりにくく、単気筒エンジンでもロングツーリングに向いた乗り味となっているのがVストローム250SXの特長だ。

固定式で高さ調整はできないが、コンパクトで高い防風性を発揮するウインドスクリーン。手に当たる走行風を低減するナックルカバーも標準装備する。フロント回りはVストロームシリーズらしい「クチバシ」デザインを採用している。
シート前方をスリム化しつつ、燃料タンクの側面はニーグリップがしやすい表面積を確保。足着き性と操作性の向上を両立した形状の燃料タンクは容量12L。今回はワインディングや林道で高回転を多用したが、燃費は41.3km/Lを記録。エコランを意識せずに、国土交通省届出値44.5km/Lに迫る良好な燃費となり、航続距離は単純計算で495.6km。こうした燃費のよさもVストローム250SXのツーリングでの使い勝手のよさになっている。
サブフレームを専用設計し、シートレールはジクサー250より延長している。パッセンジャーシートからフラットに連なるアルミ製リヤキャリアを標準装備し、キャンプ道具などの積載にも対応している。リヤキャリアには4つの荷掛けフックを装備し、最大積載量は6kg。
インストルメントパネルの左側にはUSBソケットを標準装備。定格5V2Aでスマホなどの充電に便利。イグニッションオンで青く光る導光帯式LEDを採用し、暗い場所でも操作しやすくなっている。
パッセンジャーシート裏側に車載工具が収納され、ヘルメットホルダーが2個装備されている。また、パッセンジャーシート下にはETC車載器を設置できるスペースがある。
単気筒ながら振動が少なく、スムーズな乗り心地で疲れにくいVストローム250SX。どこまでも走っていきたくなる乗り味だ。

車体の挙動がスムーズで、コーナリングが楽しい!