第1~4話の視聴率推移

 ここまでで早くも課題が露呈している。復活した『新プロジェクトX』の致命的な欠陥を象徴していると筆者には思われる。

『新プロジェクトX』全世代で高い離脱率…現代と齟齬、現実を無視した感動演出
(画像=(C)次世代メディア研究所、『Business Journal』より 引用)

 視聴率全体は微減と健闘している。第1話の値を1として第2話以降を指数で示すと、第3話までで9ポイント減にとどまり、第4話でも1割の落ち込みで済んでいる。

 ところが若者視聴者の動向は異なる。Z世代(10代後半から20代)だと、3話目までに4割近くが逃げてしまった。中高生だと4分の3が脱落した。明らかに番組は若者に受け入れられていない。

 ただし特筆すべき点もある。第4話で若年層が大きく復活した点だ。第2話のカメラ付き携帯は、若者にもなじみのあるテーマだ。ところが第3話の東日本大震災とそこからの復興は、自分事にならない人が多かった。これも視聴率急落の要因だった可能性がある。ところが黒四ダムは日本人の多くが知る圧倒的な存在。その難工事の物語は、大いに若者を惹きつけたようだ。