業界共通の仕組み整備は双方にメリット

 ゲームプロデューサーの岩崎啓眞氏はいう。

「ゲーム実況動画の投稿者の大半は無許可でやっているが、ゲーム会社が有名なストリーマーに依頼しているケースや、非大手のゲーム会社などが報酬を支払って動画を配信してもらうケースもある。最近ではゲーム会社側が『この部分は実況してOK』と宣言したり、セガが『龍が如く』でやっているように配信に関してガイドラインを設けて各種条件をつけるケースも出てきている。

 ゲーム会社にとっては、名前が知られていないゲームの宣伝にもなり、『スイカゲーム』や『桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~』のように実況がきっかけでヒットするタイトルも存在するので、一定のメリットがある。特にFPS/TPS、PvP系のタイトルはいろいろなテクニックなどが披露されることでプレイの面白さが広まるので、メリットが大きい。

 一方、お話がメインのRPGなどは実況によってストーリーが明かされると売上が下がるというデメリットが生じる。アトラスの『ペルソナ』のように『ネタバレ厳禁』『ストーリーについては配信NG』とするケースもある」

 では、音楽業界におけるJASRACのような業界共通の仕組みをつくるといった動きは必要なのだろうか。

「実況による収益を開発元にも還元すべきという声がある一方、ゲーム会社側からは『もっとストリーマーが配信によって収益を得られるようにすべき』という声も聞かれ、両方の声があるのは事実。業界共通の仕組みがあれば、実況をめぐるさまざまなルールがより明確化されるので、ゲーム会社と実況配信者の双方にとってメリットがあるだろう」(岩崎氏)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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