■ペットの美容整形は虐待なのか、愛なのか
美容整形が盛んなアメリカでは、ペットもその例に漏れない。実際にタトゥーやピアス、脂肪除去、フェイスリフトのような苦痛を伴う手術も行われている。ペットにとっては行き過ぎた行為とも思える。
そんな「ハリウッド的なケア」が行われている風潮を「新手の動物虐待」だとして、ニューヨーク州議会のニコル・マリオタキ議員は、ペットの美容整形を禁止する法案を議会に提出した。
疑似睾丸インプラント手術に対しても、誰もが肯定的に捉えているわけではない。カリフォルニア州の動物愛護団体「GlobalAnimal」のタジ・フィリップス氏のように、「疑似睾丸インプラントは行き過ぎたペットの擬人化で馬鹿げている」と主張する人もいる。
その一方で、「ペットへの美容整形は虐待ではなく、愛情表現の1つ」だと主張する推進派も存在する。自身の愛犬に疑似睾丸インプラント手術を施したメリーランド州の獣医、フラビア・デルマストロ医師のように、「疑似睾丸インプラントには、去勢手術によって失われた重みを補う癒し効果がある」と主張する専門家さえもいるのだ。
本当の所は当事者であるペット自身にしかわからない。ミラーさんを成功者へと導いた疑似睾丸インプラントは飼い主のエゴなのか、愛するペットにとっての福音なのか? 動物語を翻訳する機器が開発されるまで決着することはなそうだ。