低周波が見せる幻覚

 NASAの研究によると、目の共鳴周波数は18Hzだという。つまり、18Hzの低周波で目が振動し、視神経にノイズを発生させる可能性がある。また、全身に共鳴が起きると過呼吸が引き起こされ、交感神経が活性化して体温が上昇する。そのために緊張と不安感が増し、それによって交感神経がさらに興奮して過呼吸になり、というサイクルができてしまう。

 タンディーは、洗浄機のファンの発する低周波により過呼吸に陥り、不安で不快な状態に陥っていた。そして椅子に座った位置がちょうど18Hz となり、視神経が刺激され幽霊が見えたのだと考えた。

 「起き上がって物体を見ようと振り返った時、このピークエネルギーのゾーンからわずかに低いエネルギーのゾーンへと身体がずれて、幽霊は消えたのだ」(同上)

 洗浄機のファンの取り付けをやり直すことで、タンディーの感じていた不快感は消えた。

 タンディーが幽霊の原因は低周波だとする説を発表すると、全国から問い合わせが殺到した。その後、タンディーは幽霊が出ると言われる場所を巡っては低周波が出ているかどうかを調べ始めた。すると、どの幽霊スポットでも19Hz以下の低周波を測定することができたという。おかげでタンディーは有名人になり、新聞に「ゴーストバスター」(幽霊退治人)と書かれるようになったそうだ。

“幽霊の正体”に迫る『19Hz前後の低周波で幽霊が見える?』『線路に消えた子どもの謎』
(画像=Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)