■順調と思われた貨幣発行に暗い影が…

話題になったこの百円玉は、ズバリ「沖縄国際海洋博覧会記念100円白銅貨幣」なる記念貨幣。1975年(昭和50年)に発行されたもので、素材・量目・直径などは、現在流通している通常の百円玉と同様だという。

同貨幣の製造について、造幣局 担当者は「1975年7月20日から翌年1月18日までの半年間に渡り、沖縄県国頭郡本部町において『沖縄国際海洋博覧会』が開催されることになりました」と説明する。

同博覧会は国際博覧会条約に基づく博覧会であると同時に、沖縄の本土復帰の記念や、同県の広域開発に資することを目的とした国家的事業でもあり、政府は各般の支援と協力を行った。

この一環で開催決定と前後し、記念貨幣発行の機運が高まると共に、沖縄や沖縄国際海洋博覧会協会からも発行の要望が寄せられたのだ。

製造・発行まで順調に思われた記念貨幣だが、令和に生きる我々もその名前を知っている「世界的な混乱」が同貨幣の製造に大きな影響を与えることに…。