■ 吸い心地と安全性を何重にもチェック。高品質を守る鉄壁の専門部署「品質管理研究所」
品質管理は生産時のみならず、実際に消費者へ届けられる段階においても盤石の体制が。工場内には「品質管理研究所」と呼ばれる専門の部署があり、実際に加熱式たばこを使う消費者の目線に立って、エアロゾル(空気粒子)やベーパー(蒸気)の状態を毎日チェックしています。
中でも特徴的だったのが、IQOSの使用をシミュレートする「スモーキングマシン」。喫煙者がたばこを吸うときと同じ動作でたばこから出るエアロゾルを採取、分析して、常に同じ吸い心地を実現できているかチェックしているそうです。機密上写真を出せないのが残念ですが、タールで真っ茶色に染まった紙巻たばこのフィルターと、ほぼ無色状態な「IQOS」フィルターの比較サンプルを見せてくれました。
「フィリップ モリスが目指すのは『煙のない社会の実現』です」と工場の担当者。IQOSでは一般的な紙巻たばこと比較して有害物質が平均で約95%もカットされているとのこと。数値としては「なるほど」と思っても、その効果を実際に目の当たりにして、思わず圧倒されてしまいました。
この工程で採取されたフィルターは、続いてさらに詳細な検査工程へ移されます。フィルターを専用の容器に入れて30分撹拌して不純物を取り除いたあと、フィルターに残存するたばこ成分を抽出。「GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)」と呼ばれる専用の装置で分析し、ベーパーに有害な物質や、潜在的な害がないかどうかを徹底的に検査します。
検査の結果、問題が見つかった場合は、製品の製造管理を担当する部署へ通達され、製造現場へも即座にフィードバック。製造工程の問題を取り除くことで、安定した吸い心地と安全をしっかりと担保しているとのことです。何重にも張られた厳密なチェックによって、私たちの豊かなIQOSライフが保たれているのですね。
■ 国際的にも重視されている日本の加熱式たばこ市場「高い期待に品質でお応えしたい」
見学の後、製品の製造を統括するフィリップ モリス コリアのプロダクション・マネージャー、レオン・車(チャ)さんに詳しくうかがいました。
梁山工場は2002年に設立され、その後2012年に現在地へ拡大移転。2015年には韓国貿易協会が優れた輸出実績を持つ企業に与える「1億ドル輸出の塔」を受賞するなど、めざましい成果を上げているそう。環境や労働安全の整備にも力を入れており、品質管理の国際基準「ISO9001」、環境管理の国際基準「ISO14001」、労働安全衛生の国際基準「ISO45001」の認証を受けているとのことです。
チャさんいわく、梁山工場が主戦場に据えているのは日本と韓国。韓国南部に位置する梁山市は「ソウルよりも福岡のほうがずっと近い立地」である、日本の拠点貿易港である神戸港、横浜港への距離もそれぞれ船で2日、3日と近いことから、「日本向けの便は、ほぼ韓国向けの国内便の一部として取り扱っている」ほどだと言います。
「日本における加熱式たばこのシェアは韓国を大きく上回っており、私たちとしても非常に重要なマーケットと認識しています。日本における『IQOS』シリーズ発売から10周年を迎えますが、これからもアジアの拠点工場として日本市場向けの生産を増やし、これまで以上に高い品質でお応えしていきたいと思っています」(チャさん)
フィリップ モリスの加熱式たばこ製品カテゴリーにおいて、いかに日本が重要視されているか、チャさんの言葉からはその思いが強く感じられました。「同じたばこといえど、紙巻たばこと加熱式たばこはどう違うの?」という漠然とした疑問が、今回の工場見学によってクリアになった気がします。
取材協力:フィリップ モリス コリア
(取材:天谷窓大)
提供元・おたくま経済新聞
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