問題はこの後です。『モーニングショー』や『報道ステーション』に代表されるように、テレビ朝日は報道が最大のウリの放送局です。ところがジャニーズ問題の報道では、どちらの番組もこれまで独自取材をしてきませんでした。週刊誌はおろかTBSや日テレ、NHKにも大きく後れを取っている状態です。報道がウリという本来のテレビ朝日の番組姿勢であれば、もっともっと攻めた番組づくりをすべきだと思います。それが見られるようになって初めて、「テレビ朝日の呪い」が解けたといえるのではないでしょうか。

 テレビ各局は会社としての声明をホームページなどに公表しています。テレビ朝日も「テレビ朝日グループでは、従前より、人権尊重を明確に掲げて事業活動を行っておりますが、調査報告書に盛り込まれたマスメディアに対する指摘を重く受け止め、今後ともかかる取り組みを真摯に続けてまいります」とコメントしています。子どもたちが被害者になってきたこの問題について、テレビ朝日は他局に追いつけるのでしょうか。「報道のテレ朝」らしい本気をそのうちに見せてくれるのでしょうか。それが達成できた時に初めて「テレ朝の呪い」という呪縛から解放されたことになるはずです。

(文=Business Journal編集部、協力=水島宏明/上智大学文学部新聞学科教授)

提供元・Business Journal

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