■教祖の異変
教団の急成長と共に、ジョーンズの秘めた異常性も徐々に表に出始めた。ジョーンズは性欲が強く、性的な強さを自慢するようなところがあった。当然、彼は多くの信者と男女を問わず関係を持ち、子供も数人産ませている。その一方で信者たちにはセックスを禁じた。これには少なくとも二つのメリットがあった。夫婦・家族関係の悪化した信者は人民寺院にさらに依存するようになるとともに、ジョーンズが人妻を口説くのも容易になるというわけだ。
教団での儀式にも性的なものが増え始めた。例えば、白人の信者に人種差別者でないことの証明として、黒人信者の性器を舐めるよう強制したという。異常な行為を強要されるようになり、信者たちは次々と教団を離れ始めた。ジョーンズは裏切り者を名指しで糾弾し、自分たちは迫害されていると訴えた。だが、醜聞がマスコミや世間を騒がすことはなかった。ジョーンズが握りつぶしたからだ。