中小企業の経営者は高級車の中でもレクサスに乗っているイメージがある方も多いのではないだろうか。
実は、高級志向という理由だけでレクサスに乗るわけではない。
なぜ中小企業の経営者にレクサスが人気なのかを解説していく。
事業者が車を買うと減価償却ができる
法人や個人事業主などの事業者が自動車を購入すると減価償却費を計上して経費とすることができる。
減価償却とは時間の経過とともに減少する自動車などの動産の価値を、少しずつ費用化して価値を減価させていくことだ。
例えば500万円の車を毎年100万円ずつ減価償却することで5年で価値はゼロになる。
そして減価償却費は費用として、経費に計上することが可能だ。
経費を計上することによって利益を圧縮できるので、所得税や法人税を節税することができる。
基本的に中小企業の経営者が自動車を購入しているのは、減価償却による節税効果を期待するためだ。
新車は原則として6年で減価償却する
新車は原則として6年で減価償却することが決められている。
毎年同じ金額を減価償却する定額法で減価償却した場合は、300万円の自動車であれば年間50万円、600万円の自動車であれば年間100万円、1,200万円の自動車であれば年間200万円の減価償却費を計上することが可能だ。
つまり、高価な自動車の方が費用計上できる金額が大きいので節税効果が高い。
なお、法定耐用年数の6年を経過した中古自動車は2年で減価償却できる。
レクサスであれば、6年落ちの中古車でも 500万円以上することもあるので、500万円の6年落ちのレクサスは年間250万円もの減価償却費を計上可能だ。
レクサスは減価償却が終わった後もメリットがある
レクサスなどの高級車は減価償却が終わった後の6年落ちになっても、中古車として高値で売却できる可能性がある。
実際にレクサスの中で最もリセールバリューが高いLXであれば7年落ちでも70%程度の価格で売却可能だ。
新車価格は1,200万円程度なので、年間200万円ずつ6年間減価償却し、耐用年数経過後に新車価格の70%である840万円程度で売却できる。
そのタイミングで会社が赤字であれば、売却益には課税されないことがある。
そして、売却代金を活用して新たな新車を購入して減価償却する、というように節税をしながら繰り返し新車に乗ることが可能だ。
なお、企業の社長の中にはフェラーリなどの超高級車に乗っている人がいるが、これはフェラーリなどの超高級車は中古になっても価格がほとんど落ちないためだ。
フェラーリなどの超高級車はリセールバリューが高く、10年落ちでも7割〜8割程度の価格で売却でき、購入時よりもはるかに高いプレミアムがつくことも珍しいことではない。
減価償却が終わったら、車庫で保管し、会社が赤字になったタイミングで売却すれば非課税で多額のキャッシュを手に入れることができるのだ。
レクサスもフェラーリほどではないが、リセールバリューが高いので、キャッシュフローに大きく寄与する資産だと言える。
レクサスなどの高級車は節税効果とリセール効果があるというのが、中小企業の社長が好んで乗車している大きな理由だ。
減価償却ならず節税対策にもなる?
高級車が節税対策に使われる理由は「減価償却費として計上できる金額が大きいから」というだけではない。
自動車の減価償却費が経費として認められるかどうかは税務署の判断で、場合によっては「事業に使用しない」と経費計上が認められない可能性もある。
税務署から経費として認めてもらいやすい車が高級車だ。
高級車は「得意先への訪問」「来客の送迎」などの事業の用途に使用する理由を説明しやすいためだ。
高級車のレクサスであれば税務署から経費計上が認められやすいので、節税対策として利用しやすいだろう。
減価償却ならず節税対策にもなる?
中小企業の社長がレクサスに乗ることが多い理由は次の3つの理由がある。
● 減価償却による節税効果が高いから
● リセール価格が高いから
● 税務署に経費として認めてもらいやすいから
中小企業の社長にとっては、高級車に乗りながら、税金的にもキャッシュフロー的にもメリットがある。
会社の利益が大きくなってきたら、高級車を使用した税金対策を検討してはいかがだろうか。
文・手塚大輔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員。地方銀行にて7年半勤務し個人営業と法人営業を経験。2014年に独立。保険や不動産、投資、税金などお金に関する幅広いジャンルの記事を執筆・監修している。
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