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終末予言は人類史と共に
今年こそ世界が滅びる――。近年、ノストラダムスやババ・ヴァンガ、宇宙人からのメッセージ、その他の原典を引用してこう訴える予言が毎年のように現れてくる。実は、この種の終末予言の歴史は長く、古くは紀元前にバビロンの神官にして占星術師でもあったベロッソスも、「すべての惑星が山羊座と蟹座に集まる時に世界が滅亡する」と予言していたようだ。しかし、毎年同じような滅亡予言が繰り返されるようになったのは、日本では2010年代に入ってからの現象と思われる。
とはいえ、ここ日本でも特定の年に世界が終わるという予言はいくつか記録されている。 鎌倉時代には、仏教に根ざす末法思想が広がり、日蓮も「外国の侵略で日本が滅ぶ」と予言したことがある。1910年には「ハレー彗星の接近で地球が滅ぶのではないか」と騒がれたし、新興宗教大本の一派は、「1921年に立て替え・立て直しが起こる」と主張した。1973年に五島勉の『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになり、1999年に人類が滅びるという主張が広まると、多くの自称研究家や予言者が出現、我も我もと便乗予言を垂れ流した。