■10年以上たって警察に出頭する者が現れる
これらのケースは、全く謎のまま10年以上が経過した。しかし1970年3月6日、マック・レイ・エドワーズ(51歳)という男がロサンゼルス市警フットヒル署に現れ、落ち着いた様子で自白を始めた。
それは1953年から1970年の間に6人の子どもを性的虐待し殺害したというもので、彼が述べた名前の中にはブレンダ・ハウエルとドナルド・ベーカーの名があった。しかし彼の指し示す場所に遺体の痕跡は無く、彼をこの2人の殺人で起訴することはできなかった。
その後、警察の調べでエドワーズは子どもの連続虐待犯であることが判明し、起訴された殺人事件の中、ゲイリー・ロート、ドナルド・アレン・トッド、ステラ・ダレーネ・ノーランの殺人で死刑判決を受けた。
しかし彼が犯した罪はそれだけではなく、ブレンダ・ハウエル、ドナルド・ベーカー、トミー・ボウマン、ブルース・ハワード・クレメンたちの失踪や死亡に関わっている疑いがあった。
事実、エドワーズは裁判を受けている間に刑務所で、ロサンゼルス郡で18人の子どもたちを殺したと自慢していたらしい。しかし残念ながら、彼をこれらの事件に結びつける証拠は無かった。彼はその後、サン・クエンティン刑務所の死刑囚用独房で電気コードを使って首つり自殺をした。
彼は自殺前にすべては「Billy the Cripple」という謎の人物が真犯人で、自分の自白を取り消す手紙を送ったが、当局はこの告白を死刑逃れのウソとして却下した。
しかしまだ事件は終わっていない。事件から35年が経過した2007年、ロサンゼルス市警はエドワーズの案件を見直し、消失した子ども4人の事件の調査を再開する事を決定した。これは1987年に姿を消したトミー・ボウマン事件に興味を持った作家ウェストン・ドワルト氏の独自調査が、警察内での関心を高めたためだという。
ドワルト氏は2006年にエドワーズの妻・マリアにインタビューをしたが、エドワーズは妻への手紙でトミー・ボウマンの殺害を認めていたという。エドワーズは、「もう1人を供述書に加えるつもりだった。それはトミー・ボウマンだ。しかし混乱を起こすと思ったのでやめた」とあった。
ロサンゼルス市警の未解決事件部署のビビアン・フローレス刑事はこう言う。「我々はエドワーズが6人どころではなく、もっと大勢の子どもを殺していると見ています。エドワーズは1960年代後半に犯罪をやめたと述べていますが、私たちは信じていません」
一方、現在80歳代のトミー・ボウマンの父親エルドンさんは語る。「1957年の3月、トミーが居なくなった日のことを私は今でも忘れていません」。
突然、消える子どもたち。そして決して見つからない遺体。残された家族にとっては地獄の苦しみの日々であったろう。真実が明らかにされる日が来ることを願ってやまない。
参考:「Mysterious Universe」、「Los Angeles Times」、ほか
※当記事は2017年の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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