世の中には不可思議な「場所」が存在する。人が立て続けに失踪したりする土地だ――。

■消失事件その1

 そのような不可思議な場所の1つに「アンジェルス国有林(Angeles National Forest)」がある。アンジェルス国有林はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のサンガブリエル山脈とシエラペロナ山脈の中にある広大な荒野である。

子どもたちが相次いで失踪する謎の森「アンジェルス国有林の3つの消失事件」=アメリカ
(画像=「アンジェルス国有林(Angeles National Forest)」 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 大都会ロサンゼルスからそう遠くないにもかかわらず、荒野と険しい山々が広がり、ダイナミックな大自然が楽しめる人気の場所だ。しかしアンジェルス国有林は、この自然の素晴らしさの裏に隠れ、本国では一連の不吉な消失事件でも良く知られているのである。

 1956年8月、11歳のブレンダ・ハウエルはノースカロライナ州から姉に会うためにこの地を訪れていた。そしてブレンダは近所の男の子ドナルド・リー・ベイカー(13歳)と友だちになり、8月6日の朝に2人はサン・ガブリエル・キャニオン付近を探索に自転車で出かけた。そして彼らは2度と戻ってこなかったのである。

 2人が帰ってこなかった時、警察と海軍合同チーム、そして何百人ものボランティアが手がかりを求め、大規模な捜索が荒野で行われた。しかし数日後に発見されたのは、ブレンダの自転車とドナルドの上着のみで、それらは彼らが最後に目撃された場所から約400メートル離れたモリスダムの近くで見つかった。

 2カ月後、ドナルドの自転車はグレンドラ小学校で発見された。ある児童がその自転車を2人が消滅した森で見つけたと言ったという。それ以上の証拠は何も見つからず、彼らはまるで空気の中に消えてしまったかのようだった。