コーナーリングランプ付きLEDヘッドライト&ウインカー

F 900 Rの充実装備はまだあります。それがLEDのヘッドライトとウインカーです。S 1000 RやR 1250 Rなど、BMWロードスターモデルとイメージを共有するヘッドライトはフルLEDで、ウインカーやテールランプも非視認性にすぐれるLEDを採用しています。

しかも! F 900 Rではアダプティブ・ヘッドライトと呼ばれる特殊な機構を採用しています。このアダプティブ・ヘッドライトは、車体が7度以上傾くとヘッドライトの照射角を変化させて、コーナーのさらに奥を照らしてくれるというスグレモノ! 早朝や夜間の街中や山間部での走行では絶大な威力を発揮してくれます。筆者もアダプティブ・ヘッドライトを搭載するBMWの別のモデルを所有していますが、夜間の峠道でこれほど頼りがいのあるヘッドライトは他にないと感じるほどです。

現在では現行のBMW大型モデルの多くでこのシステムを採用しています。じつはこの機構の初登場は2011年のK 1600 GTLにまでさかのぼります。当時、二輪車では世界初の採用となった画期的なシステムを、BMWはそれから10年以上にわたって熟成・進化させ続けているのです。ライダーの安全をいかに実現するか。創業以来BMWが貫いてきた思想はこんなところにも現れているのです。

まとめ:ここまでの充実装備が119万円で手に入る凄さ

ここまでロードスターF 900 Rの主要装備についてご紹介してきました。はっきり言って、ここまで装備が充実した900cc前後のミドルバイクはなかなかないでしょう。

ただ、この装備一覧をみると「やっぱりBMWだし、価格もそれなりに高いんだろうな……」と思う方も多いかもしれません。しかし、です。F 900 Rの車両本体価格はなんと税込119万円から!

同クラスのライバルモデルと同等、もしくはそれを下回る価格なのです。BMWモトラッドの最先端装備のほとんどを採用しながらも、手が出しやすい価格帯に設定されていることは驚きに値します。いまこのクラスでは最上位に君臨するコストパフォーマンスを見せるモデルがF 900 R、そう言っても過言ではありません。

さらに驚くべきことは、F 900 Rはこうした価格を実現していながら、正真正銘のドイツ・ベルリン工場製という点です。昨今、世界中の二輪メーカーが製造コストを抑えるために新興国での生産にシフトするなかで、F 900 Rは近代BMWモトラッドの聖地とも呼べるベルリン工場で生産されて世界中へ出荷されているのです。名実ともにトップブランドとして知られるBMWの厳格な品質管理は、初めて輸入車を購入するライダーにとっても大きな安心材料といえるでしょう。

アグレッシブなスタイルと軽快な走り、そして世界最先端を誇る充実の装備とBMWならではの品質。アンダー1000ccのネイキッドモデルでライバル不在とも言える高機能と完成度を誇るバイクがF 900 Rなのです。