普通でない読み方をしていたり、習ったことのない漢字が使われたりしていて、多くの人が読みづらい地名は「難読地名」と呼ばれます。

漢字に慣れ親しんでいるはずの日本人ですが、地図上に書かれた地名、駅名の看板を見て、「あれ? これなんて読むんだろ?」と思ってしまうこともしばしばあるでしょう。

難読地名は何も珍しいものではなく、全国のどこにでもあるからです。近所に住んでいたら当たり前に読める地名でも、遠くの人からしたらさっぱり読めません。

そんな難読地名の例を今回はご紹介していきます。

目次
<1. この難読地名、どれだけ読めますか? 難読地名テスト!>
<2. 推測して読むのさえ難しい難読地名>
<3. 意表を突く読み方の難読地名>
<4. 何とか読めそうだけど読めない難読地名>
<5. いや、読めるけど?となりがちな難読地名>
<6. 観光地として有名だけど、読めない人も多い難読地名>
<7. あれ? 知ってるのと違う!となる難読地名>
<8. まとめ>

1. この難読地名、どれだけ読めますか? 難読地名テスト!

まずはテストです。あなたはどれくらい難読地名が読めるでしょうか?

日本の難読地名、どれだけ読める? 喜連瓜破や昼飯町、老者舞など
(画像=『たびこふれ』より 引用)

全部読めた人はほとんどいないのでは? 半分でも読めたらなかなかのものでしょう。

答えはこれから一つずつ明らかにしていきます。

2. 推測して読むのさえ難しい難読地名

聞いたことがなく難しい漢字が使われていても、中には推測で読めてしまう地名もあります。

しかし、どう頭をひねっても正解が出そうにない、推測して読むのさえ難しい難読地名が存在します。

匝瑳市(千葉県)

読み方:そうさし

2文字目は何となく「さ」と読めそうですが、シンプルな字形ながらも普段目にする機会がないのが、1文字目の「匝」。これは音読みで「そう」。匝瑳市で「そうさし」と読みます。

匝瑳市のホームページには、漢字の意味について以下のように書かれていました。

「漢字の「匝」は、訓読みで"匝めぐる"と読み、一巡りして帰るという意味があり、「瑳」は、訓読みで"瑳あざやか"あるいは"瑳みがく"と読み、あざやかで美しいという意味があります。」

なお、匝瑳市は植木・苗木の産地として有名です。観光スポットとしては、樹齢1000年以上というという巨樹「安久山のスダジイ」や、日蓮宗の学問所として開設された「飯高寺(はんこうじ)」などがあります。

甑谷町(福井県福井市)

読み方:こしきだにちょう

部首は「瓦」、左は曾(ひい)おじいさんの曾に似ている、となっても、そこから読み方の推測に至るのは非常に難しい「甑」。

「甑」は「こしき」と読み、米などの穀物を蒸す土器のことを指していたそうです。甑谷町(こしきだにちょう)は実際、甑が生産されていたことから生まれた地名だと伝えられているそうです。

福井市には他に、椙谷町(すいだにちょう)、謡谷町(うたいだにちょう)といった、似た雰囲気の名前を持つ難読地名もあります。

参考:清水地域の甑谷町の伝承

茱萸沢(静岡県御殿場市)

読み方:ぐみざわ

御殿場プレミアム・アウトレットでも有名な御殿場市にある、茱萸沢。

最後の「沢」だけかろうじて読めそうですが、その前の二文字はさっぱり読めないという人がほとんどでしょう。

「茱萸」はグミ科グミ属の植物を表す漢字で、「ぐみ」や「しゅゆ」と読みます。食用にもなる果実がなりますが、お菓子の「グミ」とは無関係です。

なお、大阪の狭山市には、同じ「茱萸」が使われた「茱萸木」という地名がありますが、こちらは「くみのき」と読みます。