宇宙飛行士になるのに学歴はいらない

2023年、JAXAは、諏訪理(すわ・まこと)さんと、米田(よねだ)あゆさんの2人を新たな宇宙飛行士の候補者に決定しました。このときの募集が始まったのがその2年前の2021年なのですが、当時応募条件が大幅に緩和されたことも話題になりました。

最新の応募条件は2つ。まず、3年以上の実務経験、つまり社会で仕事をした経験があるということ。もう一つが、身体的な条件。具体的には身長149.5から190.5cmで、矯正視力が1.0以上あり、色覚や聴力が正常なことです。年齢や性別は問われません。

以前は、宇宙飛行士になるためには理系の4年制大学を卒業していなければならず、加えて3年以上の理系の分野での実務経験も必要でした。しかし、現在ではこの条件が撤廃されたのです。つまり、たとえ中卒であっても、文系であっても、派遣社員や自営業などであっても宇宙飛行士に応募することはできるのです。

ただし、だからといって理系分野の知識が不要になったわけではなく、実際に新しい宇宙飛行士候補者の諏訪さんは東京大学理学部、米田さんは東京大学医学部を卒業しています。

宇宙飛行士の試験に使われる白いパズルは22万個売れた

漫画の『宇宙兄弟』を読んだことがある方は、宇宙飛行士の選抜試験に、絵が何も描かれていない真っ白なジグソーパズルが登場することを覚えているかと思います。この白いジグソーパズルは、実際に宇宙飛行士の試験に使われており、閉鎖空間での耐久力を試されるものです。2010年にスペースシャトルのディスカバリーに搭乗した山崎直子さんは、300ピースの真っ白なパズルに課題として取り組んだそうです。

この白いパズルはジグソーパズルの製造販売を手掛ける「やのまん」によって2012年に商品化され、発売から10年でシリーズ累計22万個の販売を達成しました。この宇宙パズルは「そこそこ難しい」99ピース、「けっこう難しい」300ピース、「スゲー難しい」204ピースの3種類があります。

204ピースの方が「スゲー難しい」となっているのは、ピースが小さいからです。一番取り組みやすい99ピースのものは、メーカーの人で1~2時間ほどでクリアできるぐらいの難易度だそうで、ここからチャレンジするのがおすすめだそうです。